吸血鬼は指摘する。「夜空の全然黒くないよ。真っ黒な夜空なんていうやつは空をちゃんとみてないよ。星が出ていればそれはもちろん真っ黒になんてなれないし、そもそも曇っていたとしても夜は全然黒くない。確かに夜の色は何色に近いかと言ったら黒だけど、でもやっぱりそれを黒というのはなんか違うと思うんだよね。でしょ？思わない？黒にしてはやっぱり柔らかすぎるんだよ。あまりにも色々なものを受け入れてくれそうな優しさのある色なんだよ。私は普通の人間よりもずっとたくさん夜を見てきた。だから、夜の肩を持ちすぎだって思うかもしれないけど、私にとって夜は全てで、夜が私の全部を受け入れてくれてたから。だから、わからなくてもいいけどわかってほしい」
あなたは全てを受け入れる。
