日記

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4月23日 日記

 緑色というだけでも十分に変なのに、何よりでかかった。星ってだいたい白いし、色がついてたとしても青か赤で。だから、夜空に浮かぶ緑色の光は二度見に値するくらいよく目立つ。それでいて月よりでかいわけだからギョッとしないわけはない。とりあえずTwitterで検索をしてみた。「浦和 緑 空」「浦和 緑 光」「浦和 緑 星」どれもうまくヒットしない。自分だけに見えているのかと思って写真に撮ってみた。ちゃんと写ってる。あの光は存在している。気づいた。駅の改札から吐き出される人たちの中であの光に気づいている人はいない。みんな一様に家までの道を急いでいる。俯きながら、何かに急かされるように。

 多分桜が散ってしまったからだと思う。桜が咲いていれば、みんな立ち止まって、見上げて、あの緑色に気づいたかもしれない。でも桜はもう全部散ってしまっていて、地面を彩っている。だからみんなが俯いて歩くのも仕方ないんだと思う。