日記

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5月1日 日記

 吸血鬼との散歩はいつもの散歩とは違う。意味のわからない場所で曲がる。

 今日は人気のなくなった商店街でウィンドウショッピングをしながら歩いた。これいいねってガラスを覗き込む吸血鬼の姿はガラスに映らなくて、誰もそれに気づいてはいないみたいだった。店は全部閉まっているから今度プレゼントしようと思う。夜を吸い込んだような真っ黒な髪によく似合うだろうから。
 家に帰ってから歩いた道を調べてみて全てに納得がいった。教会と家系ラーメンの店を通らないような道順だった。