日記

日記

7月20日 日記

新幹線はとてつもなく速い。それだけで褒められるくらいには速い。それじゃあ鈍行列車はどうだろうか?各駅停車でスピードもそれほどでない。貶されればいいんだろうか?鈍行列車にもいいところがある。そして、新幹線にも悪いところがある。

 

新幹線は街の近くを走る。街の近くの少し高いところを走るから、街の形がよく見える。新幹線の乗客を対象にした看板の存在に気づくし、公園の広さになんかも気づく。立ち並ぶビルは灰色だけではないってことにも。

鈍行列車は

もっと街を外れたところを走る。毛細血管のように日本の隅々まで張り巡らされた線路をゆっくり走り抜ける。だから、鈍行列車は落ち着いたゆっくりとした空気を湛える。その空気の中で本を読めばいい。音楽を聞けばいい。飽きたら窓を通して外を眺めればいい。。知らない山、知らない川、知らない廃屋が、あなたを許してくれるだろう。乗り継ぎの二十分間で、ホームを隅々まで探索しよう。いつの時代かわからない張り紙を見つけよう。改札から見える知らない景色を喜ぼう。

 

じき夏が深くなる。私たちは永遠に青春18切符を使う権利がある。