日記

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6月1日 日記

雨が足元から舞い上がってくるような日だった。重力が反転したわけではない。そうだったら私たちは今中に浮かんでいるはずだ。空と地面が入れ替わったわけではない。そうだったら地球は平面のはずだ。

 

とにかく風が強かった。東から吹いてきた強風が、暖められたアスファルト上で上昇気流と化した。風は降ってきた雨を押し返し、私たちの顎を濡らす。

 

傘なんて何の意味もなかった。下から雨が降ってくるわけだし、そもそも下からの風は傘を吹き飛ばす。