日記

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6月2日 日記

カスの仕事をしているので、訳のわからない依頼はしょっちゅう届く。最近届いた依頼は「この街に住んでいる小さな子供たちの性癖をあらかじめ歪めてほしい」というものだ。ここが東京ならばそれは簡単で、わざわざこんなところに金を払ってまで依頼する必要はない。ここは東京ではないから、性癖をわかりやすく歪めるような物や、看板、人が少ない。だから金を払ってまで依頼してきた。まあそれでも金を払ってまで他人の性癖を歪めようというのは理解できないが。

 

仕事ではあるので、やらなければならない。

 

裸エプロンをご存知だろうか。裸でエプロンを着るというものだ。それ以上の説明はできない。それが全てだから。今回はそれに加えて、この街になぜかたくさんあるブロンズ像を利用する。

 

アマゾンから届いた二十三着のエプロンをスーツケースに詰め込んで街に出た。ブロンズ像の位置と最短で回る経路は既に考えてあるからそれに従って歩いていく。ブロンズ像を見つけ、スーツケースからエプロンを取り出し、ブロンズ像に着せ、また次のブロンズ像へと向かう。これを何度も繰り返し、この街の裸像は全て裸エプロンブロンズ像になった。

 

依頼主も喜んでくれていたので、これでミッションコンプリート。また明日も頑張ろう。