日記

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4月27日 日記

 街でサラリーマンとすれちがった。185cmはありそうな長身ですらっと痩せている人だった。たくさんの人とすれちがうのにその人だけには振り返ってついて行ってしまった。そういう魅力を感じた。その人は青信号の点滅で止まっていたし、アルコール消毒のスプレーは優しくワンプッシュだった。ずっとついていくわけにもいかないから途中で離れて本来の目的地に向かった。

 夜は終電で帰った。久しぶりの終電で、ホームに吹く風はまだ肌寒かった。乗り込むと、そのサラリーマンも乗っていた。左手にストロングゼロの缶を握りしめて、優先席のじじいを殴っていた。執拗に、的確に顔だけを狙っていた。