5月16日 日記
絵の展覧会兼販売会を見に行った。ある絵師の人が出展しているというので見に行ったんだけど、他にも違う人の作品があったから全部見てきた。壁に絵がかけられていて、真ん中には何個かのイーゼルと何脚かの椅子が置いてある。もし気になった絵があればそこで販売員の人といろいろ話し合って買うという仕組みだ。
見ている人はみんな値段の話か作者のプロフィールの話しかしていなかった。
「え!四十万もするんですか???」
「この前買っていかれた若い女の子がいましたよ」
「若いのに買えるなんて金持ちですね」
「いえいえ流石に一括という方は少なくて、分割で買うという方が多いですよ。月一万程度で絵を所有できるのでいいですよ」
「この作者さんは顔は公表していないんですけど三十代の男の方で、お子さんもいらっしゃるんですよ」
絵を見にきているのかそれとも付随する情報だけを見ているのかよくわからない人が多かった。
何より一番怖かったのが、販売員二人が自分のすぐ近くで「すいません、逃しました」とか言ってたこと。